最初からこうなるって、わかっていたんだ。
そう、に初めて触れた時から・・・・。

他の誰にもこの肌に触らせたくないって・・・。
他の誰にもこの声を聞かせたくないって・・・。
をこうしていいのは、僕だけだって。
僕だけがのこの姿と声を、見て聞くことが許されるんだと。

自分でも醜いと思うほどの独占欲。
こんな事を考えながら抱いているなんてが知ったら、僕のことをどう思うだろう。
きっとがっかりするに違いない。
それこそ、触れることさえ許してくれなくなるんじゃないかと・・・・。
そんな不安があるからこそ、一緒にシーツに包まっている時は、片時も離れて居たくない。

僕だけのものとしてを扱う。

事が済んでの髪を指に絡ませながら、彼女のぬくもりに浸るひととき。
僕はとても満ち足りた気持ちになる。
の視線も心も僕に向いていて、たった今、お互いの身体で愛を確かめ合ったばかりだから・・・。
僕の酷く醜い独占欲も鳴りを潜める。
白い素肌に髪先が触れてくすぐったいのか、が柔らかく微笑む。

もっとその笑顔を見たくて、鎖骨を指先でなぞってみる。
「悠斗、やめて。」
横になっているからか、少しかすれた声。
先ほど啼かせすぎたせいかもしれない。
そんな声で僕を挑発しちゃ駄目なこと、泉は知っているはずなのに、無意識にやるんだもんなぁ・・・・。
あぁ、押さえが利かなくなる。

やっぱり今夜も1回じゃ終わりそうも無い。
鎖骨に置いていた指先をその細いレールから外して、その下のなだらかな丘に向かわせる。
柔らかな丘の上にはの官能を刺激するスイッチがある。
彼女もそれを期待しているのか、指が進んで行くのを止めようとしない。
だから、僕の指は丘をゆっくりと登ってその頂に着くと、彼女のスイッチを押す。

の身体の熱が上がっていくように感じる。
もちろん僕のも。
始めればこうなるって、分かっているのに。
充足は一瞬にして去り、すぐに終わりが見えてしまうのに。
それでもが欲しくなる。
それをみんな、みんな、のせいにしてしまう僕を、、君は許してくれるかい?




(C)Copyright toko. All rights reserved.
2005.04.20up