「あ・・今何言おうとしたっけ?」
と、悠斗が私の上で微笑みながら尋ねた。

もう、いつもいつもどうしてそんなことを言わせようとするのかな。
それを言わなきゃ、本当にそうしないって訳でもないくせに。
多分、本当に言わなかったら、悠斗の方が焦れるくせに。
私だってちゃんと分かっているんだから。

でも こんなこと誰にも恥ずかしくて聞けないけれど、どうやら男の人って、みんな多かれ少なかれそういうものらしい。
ってことは、悠斗もそうだと言うことになる。

わざと恥ずかしい言葉を言わせようとするのは、それを言う私が見たいから?
それで悠斗はどう思うんだろう。
それが分かるのなら、恥ずかしくても言葉を言わないでもない。

、何を言おうとしていたのかな?
恥ずかしがらなくても此処には僕とだけだから。
のその言葉を聞くのは僕だけだよ。
だから、言ってご覧。」
悠斗は言葉ばかりでなく、その指先を私の最も感じる部分に置いて、焦らすように撫でながら尋ねてくる。

「もっと・・・・」
「もっとなに?
ほら、言わないとずっとこのままだよ。
いいの?」
少しだけその指に力が入って、刺激がもたらされる。
「いやっ。」
「ん〜嫌ってねぇ。
それだけじゃ、僕もどうしていいのか分からないよ。」
「悠斗の・・・・意地悪。
分かっててやってるくせに。」
恨み言を言って睨んでみるけれど、効果がないことは自分でも承知している。
きっと悠斗には煽っているようにしか見えないだろう。

「ふ〜ん、僕のこと意地悪って言うんだ。
こんなにのこと好きなのにな。」
私の言葉を戒めるように、胸にちくりと痛みが走った。
悠斗がつけたその痕は、赤いと言うよりも小豆色のようになっていてどれだけ強く吸われたかが伺える。
他の痕より消えるのに時間がかかりそう。

「さあ、そろそろ僕も待ちくたびれてるんだから、欲しい言葉を聞かせて欲しいな。」
ぐっと指を動かされて、背中がそるほどの快感が身体を突き抜けた。
もう駄目。
降参するしかないみたい。

悠斗の欲しがっている言葉を口にして、彼が与えてくれる快楽にこの身を預けてしまう。
本当は私が恥ずかしくていやらしい言葉を口にすると、悠斗の方が切なそうな顔をするんだよね。
感じるのを我慢しているような、耐えてるって顔。
その表情に私も感じちゃうんだけど、でもそれはぜったいに口にしない。

だって、そのくらいの楽しみがないんじゃ、あんなこと口に出来ないもん。





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2005.02.16up