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相変わらず仲の良い両家の母親の主催で、2つの家のホームパーティが
開かれたのは、それからすぐの土曜日。
のご両親も俺たちの結婚について理解してくれた。
本当のところは不安だろうと思う。
それでも首を縦に振ってくれたのは、ひとえに可愛い一人娘の幸せが
かかっているからだろう。
そうでなければ、人に知られたくないと思うような結婚はさせないだろうから。
俺と龍介で挨拶した後で、が自分の気持ちとして言葉を添えた。
それに説得された感が大きいと思う。
俺と龍介からしたら、反対されてもをあきらめるつもりはなかったし、
いざとなれば駆け落ちでもするつもりだった。
けれどもそれじゃが幸せになれない。
やっぱり、祝福されなければ、憂いが残るだろうから。



神前、仏前と誓う場所と種類は色々あるだろうが、
俺たちは此処まで見守ってくれた両親たちの前で婚約を誓おうと相談した。
だから人前婚約式ってことになる。
向井家のリビングで、両家の親たち4人を前にして婚約式をした。
それぞれが誓いの言葉を口にした後、龍介が持ったリングに俺も手を添えて
の左手の薬指へと滑らせてやる。
華奢な指の幅一杯に3つの石が並んで光るのを見て、
俺たち3人はお互いの笑顔を見詰め合った。
龍介が動いて唇に触れるだけの優しきキスをと交わす。
親の前だからか、の頬が急に色づいて可愛い。
龍が離れたので、俺もの唇にキスを落とした。



がすっと俺たちのそばを離れて、サイドボードにあった包みを持って来た。
「何にしようか悩んで、これにしたの。」
そう言って包装を解くと、中から見知った箱が出てきた。
が好きだから、この宝石商のアクセサリーを買うので、
覚えているだけだが間違いないだろう。
女性のリングばかりが注目されるが、婚約にはちゃんと返しがある。
等価交換とまでは行かなくても、記念になるような物を贈る事が多いと聞く。
は俺達に何を選んでくれたんだろう。
その箱の中身が気になった。
出てきたのはかの宝石商の定番品とも言える時計。
それも茶のクロコの革ベルトだ。
箱の中から1本手に取ると、それを龍介の手首に巻きつけた。
金具をはめ終わると、もう1本を俺の腕に巻いてくれた。
自分の腕にも時計を巻くと、俺と龍の頬にそっと唇を寄せてくれた。
さすがに、唇にキスは恥ずかしかったんだろう。



今夜のは、何をどうしても可愛く見える。
それは、本当に花が咲いたかのように感じる笑顔。
言葉は耳に心地よいメロディーのように聞こえるし、
動作は舞を舞っている様に優雅だ。
こういうのが贔屓目とか言うんだろうな。
それとも、かなり重症な病なのだろうか。
もう、他の女性は生物学上の女であって、俺にとっては女でない。
綺麗だろうと、スタイルが良かろうと、関係ないと思わせる。
他の誰もが、の代わりになどなれない。
を失ったら、俺はきっと俺でなくなる。
そんな気がする。
男でさえなくなって、ひょっとしたら人でさえなくなるのかも知れない。
我ながら自虐的な考えだなと思った。



歓談中にふと視線が時計に行った。
これを3本買うのは、大変だったろうと思う反面、
3人で揃いと言うのは初めてかもしれないなと、嬉しくなる。
よく見ると、枠に筋が入っているし、リューズが変わった所に付いている。
、この時計変わったデザインだね。」
「うん、そうなの。
実はね、ここをこうすると・・・・時計本体が裏返しになるの。
でね、裏に刻印を頼む事が出来るから、私たちの名前と今日の日付をここに。」
が自分の腕のものを、そうやって説明してくれた。
彼女の時計は、俺たちのものより少し小ぶりなタイプだ。
それでも時計の裏に刻まれた文字ははっきりと読むことが出来た。
俺と龍介との名前と、今日の日付。
俺たち3人が、人生を共に歩む事を決めてそれを予約した日。
自分のものも教えて貰ったとおりに動かしてみる。
「これは正規に売っているの?」
見たことも無い形に、そう尋ねた。
「うん、珍しいタイプだけど、ちゃんとカタログに掲載されているよ。」と、
少し自慢げに微笑む



結納の代わりだからとの家で行われたので、
両親たちを放っておいて俺たちは2階のの部屋に移動した。
が俺達が贈ったリングを「凄い綺麗だね。」と、
なんとも言えない微笑で見つめている。
「ねぇ、このデザインってもしかしなくても私たち3人ってことだよね?
私と龍介と鷹介と、3人で一緒にって。」
リングの上の3つのダイヤに、右手の人差し指をそっと這わせて尋ねた。
「ん、そう。
それぞれがソリティアとして十分に輝く石でありたいって、願いも込めてある。
その上で、3人で一緒に・・・・いいだろ?」
「うん。」
龍介の説明に、は嬉しそうに微笑んだ。
今日は本当に綺麗に笑うなと、感心してしまう。
その微笑が何時までも続くようにと願わずにはいられない。
それを守って行けることに、喜びも感じる。



ベッドに腰をかけたままでの左手を取って、そのリングの上に唇を寄せた。
そのままその手を、俺の右頬に当てさせる。
上から俺の手で軽く押さえた。
ふわりとの使っている香水が香る。
優しく甘い香りは、そのもののようだ。
そのまま顔を横に向けて、手の平にキスを落とす。
が俺に近づいて、唇を重ねて来た。
彼女からのキスがないわけじゃないけれど、数は少ない。
だから、今夜は凄い積極的?
の腰に手を回して引き寄せる。
振れるだけのキスを何回かした後、舌でそっとの唇を舐めると、
少し隙間が開いて招かれるように滑り込ませる。
蕩かすような熱いキスを交わす。
後から龍介がの胸に手を回してスリップドレスの上から愛撫を始めた。



俺の口の中にの甘い声が響いてくる。
下に両親達がいるから、あまり激しくは出来ないだろう。
ドレスのストラップをずらして皮を剥くように胸を目の前に出された。
のキスを解いて、胸のつぼみに唇をつける。
漏れるの嬌声を、今度は龍介がキスで埋めた。
腰に回した手を下に這わせると、スカートのすそから今度は上に這う。
ストッキングがガーターで吊られている所を通ると、
の下着に辿り着いた。
今夜は色っぽい下着をつけている。
ドレスに合わせてのことだろうけれど、には珍しい。
既に龍介の片手がそこに来ていて、のそこを熱くしている。
ならばと、下着に手をかけて下げて脱がしてやる。
龍の手を自由にしてやり、をもっと感じさせたかった。
俺は自分の前をくつろがせると、猛った己を出して避妊具をかぶせて
の腰を引き寄せた。
、そのまま俺の上に来て。」
すそを捲り上げて、の腰を寄せる。



ゆっくりとの中に入って行く感覚に、思わず喉の奥で声を上げそうになる。
何度繰り返しても飽きる事のない行為。
ともっとも近くにいられることの喜び。
全てが一度に味わう事が出来る。
龍介がの後から、胸と華芯へと愛撫を施しているのが見える。
龍介の腕に絡まるの腕。
男の手で形を変える柔らかな胸。
のけぞって感じている顔。
視覚でも煽られる。
の中がその愛撫に応えて、淫らにうごめく。
たまらず腰を両手でつかんで、の身体を揺らしてやる。
このまま動かずにいってしまいそうだった。
それはそれで良いけれど、出来るならもっとを喘がせてやりたい。
龍介の愛撫と俺の突き上げで、感じさせてやりたい。
そうやってを感じさせる事で、その感覚がフィードバックして俺に返ってくる。
何倍にもなって。



の中が急に騒がしくなってきた。
俺も限界が近い。
、一緒に。」
聞こえているかいないのかは分からないが、そう声をかけて昇りつめた。
彼女の反応もその時のものに変わって、の震える身体を
龍介がしっかりと抱きしめている。
いったのは俺なのに、龍介の顔も満足げだ。
俺も龍介の時はあんな顔をしているんだろうか。
もう1人の自分。
一卵性だから、本当にそうなんだろうけれど。
本当にそんな不思議な感覚が湧いた。





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2005.08.10up